ランコントルが千葉テレビの取材を受けました
日時:2016年2月1日(月)
2016年2月1日、ランコントルにて千葉テレビの取材がありました。2月12日(金)午前6時58分の千葉テレビの「シャキット」で放映されました。
ランコントルが千葉テレビの取材を受けました
日時:2016年2月1日(月)
2016年2月1日、ランコントルにて千葉テレビの取材がありました。2月12日(金)午前6時58分の千葉テレビの「シャキット」で放映されました。
白樺派のカレーで給食
2016年10月18日(火)
我孫子市立我孫子第一小学校
10月18日(火)、「白樺派のカレー」が給食に供されるこの日、白樺派のカレー普及会メンバー4人が我孫子第一小学校を訪れました。校長室で太田悟校長、栄養士の吉澤先生としばし歓談しました。
太田校長は、教科の副読本「ふるさと我孫子の先人たち」を手に、その中の柳宗悦の項で兼子夫人と「白樺派のカレー」が紹介されていること等を話されました。吉澤先生からは「普段のカレーも隠し味に味噌を使っているが、今日は麦の粒味噌にしてみた。野菜は地元産でパウダーは全量『C&B純カレー』を使った。1年に1回は「白樺派のカレー」を出したい。」との嬉しいお話しでした。
5年生の2クラスに2人ずつ分かれて、食欲をそそるカレーの香りがする廊下を進み教室に入ると、すでに配膳が終わりお腹を空かした子ども達が待っていました。「いただきます」の挨拶をして、カレーを口に運ぶと、最初は甘く後からほんのり味噌の風味が口に広がりとても美味しい鶏肉のカレーでした。それを証明するかのように、子ども達も口々に美味しいの連呼で、おかわりには列ができあっという間の完食でした。
カレーを食べて元気一杯の子ども達に見送られ、お腹も気持ちも満足し我孫子第一小学校をあとにしました。
我孫子第一小学校には、柳宗悦の叔父嘉納治五郎の書があります。
正面玄関を入ると「鏡為人以」(ひとをもってかがみとなす)、校長室には「達必力」(つとむればかならずたっす)の額が掲げられています。
嘉納治五郎の甥である柳宗悦の妻・兼子が、約百年前に白樺派の文人たちにふるまったとされるカレーが、「白樺派のカレー」として蘇り、嘉納治五郎の書が掲げられているここ我孫子第一小学校の給食に供されています。
何か不思議な縁を感じた一日でした。
白樺派のカレー
ニュースレター第8号
2016年8月発行
京都造形芸術大学の松井利夫教授は、大学院通信教育部の基礎教育プログラムに白樺派のカレーを取り入れています。芸術環境研究分野の大学院生は、資料を頼りに独力で白樺派のカレーを作ります。芸術と白樺派のカレーの関わりについて、松井先生に伺いました。
白樺派のカレーとの出会い
以前、京都造形芸術大学の大学院通信教育部の学生から白樺派のカレー・レトルト6個パックをいただいたことがありました。これがとても美味しく、白樺派のカレーに興味を持ちました。実際に白樺派のカレーを食べるために我孫子市まで足を運びました。あいにくその日は白樺派のカレーを提供しているレストラン・ランコントルが定休日で、白樺派のカレーは食べられませんでした。しかし、白樺文学館、志賀直哉邸などを見学することができました。白樺文学館では学芸員にお話を聞いたのですが、その方は京都造形芸術大学で学芸員の資格を取得していたことがわかり、偶然の出会いに驚きました。調べてみると、白樺派のカレーの普及活動が、文芸、食育、まちおこしなど多様な分野にまたがっていることがわかりました。
授業に取り上げられた白樺派のカレー
京都造形芸術大学の大学院通信教育部では、4年前から芸術環境研究分野の基礎教育プログラムに、白樺 派のカレー作りの実習を取り入れています。大正時代のカレーの献立表など、数点の資料を学生に提供し、白樺派のカレーを作らせます。学生は白樺派のカレーを一切食べずに、資料のみを頼りにカレーを再現します。
芸術活動は地域と無関係ではなく、自分が暮らす地域から有形無形の影響を受けます。また、その一方で、芸術は地域を活性化させる存在でもあります。芸術活動は街おこしの側面を持っています。白樺派のカレー作りは、地域振興や文芸の振興、さらに食育振興などの幅広い価値観、いわゆる芸術の多様性という創造の根源を学ぶために適していると考えています。
ネオ民藝
カレーは味わえる芸術です。ごく日常的な材料で美味しく作ることができます。何度食べても味に飽きません。それぞれの家庭で味が異なり、オリジナリティを発揮できます。こういったことは民藝運動(注)に通じるものがあります。
柳宗悦が関わっていた白樺派の文人たちは時代の先頭に立っていました。彼らは海外にも目を向けていました。彫刻家のロダンなど西洋の文化を日本に紹介したのも白樺派でした。柳宗悦らが提唱した民藝運動では文学に加え、食や住環境も統合して考えました。家の作り、生活、西洋文化、食などを上手く融合させ、日本のオリジナリティを活かした民藝運動を提唱しました。
民藝運動は当時としては新しい考え方でしたが、現在の民藝は当時のスタイルをただ更新しているだけのように思います。そこで、私は「ネオ民藝」を提唱しています。ネオ民藝では、新しいライフスタイルを作ることを目指しています。つまり、サスティナビリティを重視したエネルギー自立型のものづくりです。地域に根ざしたエネルギー自立型のものづくりは、民藝運動そのものであると考えています。
(注)民藝運動
民藝運動は大正時代に柳宗悦らによって提唱された文化運動です。柳らは名もなき職人たちが作った庶民の生活道具を「民藝(民衆的工芸)」と名付け、生活に根ざした工芸品に美的価値を見出しました。
一汁一菜の器プロジェクト
東日本大震災後に、被災者を支援する「一汁一菜の器プロジェクト」を始めました。最初は、避難所の炊き出しに使うどんぶり鉢を作って被災地に送りました。その後、大学と陶芸作家が連携して飯碗や汁椀など食事に必要な器をセットで作り、被災地に送る活動を始めました。昨年は2000セット、計1万個の器を送りました。本来、芸術は生活とともにあるもので、芸術により被災地の方々の食を支え、元気になってもらうことが「一汁一菜の器プロジェクト」の目的です。
民藝と白樺派のカレー
白樺派のカレーを大学院の基礎教育に取り入れたのも、芸術活動は地域との関わりが大切だからです。白樺派のカレー普及会が行っている活動は、民藝運動に近いものだと思います。文芸や食育、まちおこしなどを一つにまとめて活動しています。これが大学院の基礎教育としてうってつけだったのです。
松井利夫氏 京都造形芸術大学 教授、専攻長 大学院 芸術研究科 芸術環境専攻 芸術学部 空間演出デザイン学科 |
白樺派のカレー
ニュースレター第7号
2016年6月発行
白樺派のカレー普及会のメンバーの安河内志乃さんが英国滞在中にセント・アイヴスでパスティに出会いました。この出会いから白樺派のカレーパスティが生まれたのです。
しっぽだらけのイギリス通信
安河内志乃さんはご自身の英国滞在中に経験された出来事をエッセイ集「しっぽだらけのイギリス通信」にまとめられています。
この本にセント・アイヴスでのパスティと出会いが綴られています。135ページから引用しましょう。「”Cornish Pasty” (皮がパリパリ、ころころ牛肉とじゃがいもと玉ねぎ入り)、どれも一コ60pから70p(百円ちょっとくらいです)でも、両手に余る大きさで、焼きたてのあつあつ。歩きつつお行儀が悪いな、とは思ったのですが、地元の人もそうやっているので、はぐはぐっとほおばりました。これは、どう表現すればいいか・・・とにかくどこで食べたのより皮も、中身も上等でした。」
セント・アイヴスは、ランズエンド(地の果て)と呼ばれるイギリス最南西部にある小さな町です。たまたま、人々が列を作っていたお店で購入したのが、コーニッシュ・パスティ(Cornish Pasty)でした。
あまりに美味しかったため、セント・アイヴスで食べたパスティは忘れられない思い出となりました。
パスティは盛り上がった半円形をしたパイのようなスナックで、中の餡は牛肉・玉ねぎ、じゃがいも・蕪などです。歴史はとても古く、18世紀のレシピが残っているほどです。今でもコーンウォール地方ではパスティは人気スナックで、人々は歩きながら、おしゃべりしながら熱々のパスティを手軽に楽しんでいます。
バーナード・リーチと「東と西のマリッジ」
「白樺派のカレー」は、お料理上手だった柳兼子さんのカレーに「これに味噌を入れたらうまいだろう」と、我孫子の柳家に逗留していたバーナード・リーチが提案したことから誕生しました。
バーナード・リーチが暮らしたセント・アイヴスでのパスティとの出会いは、我孫子とセント・アイヴス、そして、白樺派のカレーとバーナード・リーチという偶然の結びつきを改めて意識させることになりました。リーチは「東と西のマリッジ」を提唱しましたが、白樺派のカレーパスティはリーチの言う「東と西のマリッジ」を現した食べ物ではないでしょうか。
柳家の庭に築いた陶芸の窯が焼失した後、リーチは濱田庄司と共に英国に帰り、セント・アイヴスに窯を築きました。おそらくバーナード・リーチも濱田庄司も陶芸の作業の合間にパスティで小腹を満たしていたことでしょう。
なお、セント・アイヴスのテート美術館分館には、バーナード・リーチの作品が展示されています。
白樺派のカレーパスティ商品化
リーチがセント・アイヴスに窯を築いたのが1920年のことでした。そのちょうど90年後の2010年に、取手市のパン屋さん「クーロンヌ」にて「白樺派のカレーパスティ」が販売されました。同年秋に開催された「あびこスカイフェスタ」では、カレーパスティが飛ぶように売れ、慌てて増産する事態になりました。
美味しい「白樺派のカレー」が手で持って楽しめる、というのがパスティの利点です。さらには2013年にはパスコが「白樺派の焼きカレーパン」とともに商品化し、イトーヨーカドー(千葉県東葛エリアと東京都東部エリア)で半年間販売されました。
イトーヨーカドーで販売された
カレーパスティとカレー パン(2013年)
再度の商品化を願っています!
現在は残念ながらパスティの販売は行っていません。時々、パスティはどこで買えるのですかとのご質問をいただくことがあります。手軽に白樺派のカレーを楽しめるだけでなく、バーナード・リーチとセント・アイヴスにちなんだ白樺派のカレーパスティを再度商品化したいと思っています。セント・アイヴスのお店のように熱々のパスティを提供することが必要なのかもしれません。これまでの白樺派のカレーパスティの販売経験をもとにより息の長い商品としてカレーパスティを育てたいと思っています。
「我こそは商品化したい!」と手を挙げてくださるお店や企業をこころよりお待ちしています。
白樺派のカレー
ニュースレター第6号
2016年1月発行
障がい者支援団体と食品スーパーのコラボ その2
前回(第5回)のニュースレターでは、ビーフカレーを提供している喫茶ぷらっと(我孫子市生涯学習センター1階)を特集しました。今回は、白樺派のカレービーフを製造し、ぷらっとに納入している京北スーパー商品部を特集しました。
全工程を一人で担当
ぷらっとで提供しているカレーを作っているのは、京北スーパー商品部の大塚隆夫さんです。大塚さんは惣菜バイヤーとして京北スーパーが製造・販売している惣菜用の食材を購入する責任者で、また、惣菜の製造全体を指揮しています。
ぷらっとで提供されている白樺派のカレーは大塚さんお一人の経験と工夫で作られています。京北スーパー布施店に大塚さんを訪ねました。
「白樺派のカレーは一度に60食分を作ります。牛肉は4Kgのブロック肉を使います。牛肉の余分な脂身やスジを丁寧に取り除き、一口サイズにカットします。野菜もすべて包丁を使って自分でカットします。」
大塚さんは、白樺派のカレーだけはご自身で作られています。「京北スーパーでは、一種類の惣菜作りの全工程を一人の担当者がすべて行います。食材のカットから最後のパック詰めまですべての工程を責任を持って行うことで、美味しい惣菜ができます。」
煮込んで野菜がすっかりとろけたころに、カレーは出来上がります。熱いうちに一食分づつパックしますが、袋詰めの作業も60食分となるとかなりの時間がかかります。袋詰め作業もすべて大塚さんが行います。「袋詰め作業を手伝ってもらうこともできますが、袋詰めは最後の検品も兼ねているので、最後まで一人で行います。」
引き立つ味噌の香り
「このカレーは冷凍してぷらっとに納入します。それまでは冷凍して納入するという経験がありませんでした。解凍して温め直したときに、このカレーが本来持っている味噌やスパイスなどの香りが一気に飛んでしまう可能性があったので、味噌やスパイス、その他の調味料の量を多めにするなどの調整に時間をかけました。カレーの煮込み時間もカレーとしては短く、3時間半にしています。そのため、このカレーは『味噌の香りが立っている』と思います。まろやかな『和の香り』のビーフカレーに仕上げていますが、私がイメージとして持っている白樺派のカレーを現したものです。」
とろみ付けにも一工夫
「ぷらっとから障がい者の方が運びやすいように「とろみ」を強くしてほしいとの要望をいただいたことがありました。とろみは水で溶いた小麦粉で付けています。レシピ通りなのですが、この方法を知ったときは衝撃でした。通常は小麦粉を炒めたものでとろみをつけます。想像ですが、柳兼子さんも水で溶いた小麦粉でとろみを付けていたかもしれませんね?」
ぷらっとの“白樺派のカレー”は、手探りの工夫を丹念に重ね、味噌の香りが立つ美味しいカレーに仕上がっています。
株式会社 京北スーパー 品質、健康、環境保全を重視した品揃えで、東葛地区に8店舗の食品スーパーを展開している。その他、飲食業、貸ホール(京北ホール)などを展開している。 |
白樺派のカレー
ニュースレター第5号
2016年1月発行
障がい者支援団体と食品スーパーのコラボ その1
我孫子市内には、白樺派のカレーが食べられるレストランが2店あります。その内の1店がアビスタ(我孫子市生涯学習センター)内の喫茶ぷらっとです。ぷらっとの白樺派のカレーは地元の食品スーパーとのコラボレーションで生まれました。
障がい者支援団体が運営するレストラン
喫茶ぷらっとは社会福祉法人つくばね会・けやき社会センターが運営しているレストランです。ここでは障がい者がスタッフのサポートを受けながら働いています。ぷらっとでは、2012年11月より白樺派のカレーを提供しています。
ぷらっとのカレーは京北スーパーで作られた国産牛を使ったカレーで、サラダとスープがついて720円です。カレーを注文すると白樺派のカレーのオリジナル・ランチョンマットをテーブルに敷いてくれます。
スタッフの布施奈緒子さんと中台真由美さんにお話を伺いました。
「10名ほどの登録メンバー(障がい者)から毎日2名が交代でお店にでます。1~2名のスタッフがメンバーをサポートします。」ぷらっとでは、メンバーが給仕しやすいように白樺派のカレーはトレーに乗せています。また、スープがこぼれいような器を選んでいます。
「お昼時はランチを食べに訪れるお客様が多く、白樺派のカレーもコンスタントに出ます。多くの方に美味しいといっていただいています。図書館帰りに立ち寄ってくださる常連さんもいらっしゃいました。」
等身大キャラクター
ぷらっとでは、白樺派のカレーの等身大キャラクターがお客様を出迎えています。「等身大キャラクターはお子様にも人気です。また、白樺派文学を研究している学生さんが立ち寄られ、記念に写真を撮って帰られたこともありました。」
障がいを乗り越えて
ぷらっとでは、障がい者の方が活躍しています。メンバーの渡辺祥司さんにお話を聞きました。
「月に2~3回お店に出ています。白樺派のカレーはサラダとスープも付いているので、トレーに乗せて運ぶのは大変ですが、お客様に美味しいと言ってもらえるととてもうれしくなります。」
白樺派のカレーとの出会い
ぷらっとでは、白樺派のカレーの提供前にはぷらっとオリジナルのカレーを提供していました。白樺派のカレー普及会は、京北スーパーとぷらっとのコラボレーションで白樺派のカレーを実現したいと思い、両者を引き合わせました。京北スーパーが作る白樺派のカレーを出そうと決めた事情について、ぷらっとの責任者である広瀬美紀さんに伺いました。
「京北スーパーの伊藤さんからお話を伺ったとき、伊藤さんのカレーにかける情熱を感じました。いい食材を使っていることもわかりました。私は長く我孫子に暮らしており、我孫子が好きです。お客様にも我孫子のカレーを食べていただき、『我孫子はいいな』と思ってもらいたかったので、白樺派のカレーを出すことにしました。」
喫茶ぷらっと 千葉県我孫子市 若松26-4 アビスタ1階 電話 04-7182-0515 (アビスタ・インフォメーションセンター(呼)) 定休日 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は次の平日が定休日) オープン 11:00~16:00 社会福祉法人つくばね会・けやき社会センター 障害者の方に働く場を提供している就労継続支援B型事業所 http://tukubanekai.sakura.ne.jp/keyaki.html |
新聞に紹介されました 2015年11月13日の産經新聞にぷらっとの白樺派のカレーが紹介されましたので、その部分を抜粋して紹介いたします。 ■大正ロマンの味 昼時となった。我孫子市生涯学習センター1階の喫茶店「ぷらっと」へ。「白樺派のカレー」を注文する。 柳兼子は、みそを隠し味にしたカレーを作り、来客にふるまった。地元の普及会が大正ロマンの香り高い味を再現した。野菜はとろとろに煮込んである。大振りの牛肉。いただこう。うまい。大盛りを一気に完食した。 産経新聞 2015年11月13日(金) 首都圏ワイド「大人の遠足:「白樺派の拠点」を巡る より |