白樺派のカレー
ニュースレター第11号
2018年3月発行
2017年8月10日(白樺派のカレーの日)に新レトルト商品「川村学園女子大学バージョン(川女バージョン)」が発売されました。大学生が商品企画や販売プロモーションに協力するなど、大学と連携して生まれたコラボ商品です。J:COMテレビの「ご当地サタデー♪」に我孫子市長と共に大学生が出演するなど、我孫子の魅力発信にも大いに貢献しました。
行政と大学の連携で生まれた街づくり活動の新たな展開について、昨年11月2日に川村学園女子大学の学長、我孫子市長、そして学生も交えて懇談会が行われました。
トマトジャムの開発がきっかけ
星野・我孫子市長 我孫子産のトマトを使ったトマトジャムの開発を皮切りに、大学との協力が進みました。さらに、白樺派のコラボカレーができ、川村学園には我孫子の街づくりに大いに貢献していただいています。大学が地元にあると、いろいろな形の協力ができ、我孫子市にもメリットがあり、地域での活動が就職の際に評価されるので学生にもメリットがあります。
熊谷・川村学園女子大学長 大学としては、学生たちにボランティアに参加し地域に貢献するだけではなく、ボランティア活動を通して成長してもらいたいと思っています。白樺派のカレーの普及活動に参加させてもらったことはとても良かったと思います。たまたま高橋先生がご自分の研究で白樺派のカレーに出会ったことが連携のきっかけでした。
文献をもとに白樺派のカレーを再現
高橋先生・川村学園女子大学 以前、大学院(京都造形芸術大学)(✳︎)で学んでいた時に、「文献をもとに白樺派のカレーを再現せよ」という学習課題がありました。我孫子市内の大学に勤めていたにもかかわらず、白樺派のカレーを知りませんでした。調べて行くと、白樺派のカレーの普及活動には、白樺派の文学や当時の手賀沼の自然環境など多くの要素が組み込まれていることがわかりました。普及会に問い合わせていろいろなことを教えてもらいました。自分も普及会に入ってさらに活動を活性化させたいと思い、普及会の役員に加わっています。
(✳︎)ニュースレター第8号「大学院の授業に取り入れられた白樺派のカレー」参照
小野・白樺派のカレー普及会会長 高橋先生の熱意が普及会を動かし、コラボ商品としての新カレーができました。
大学としての地域貢献
熊谷学長 学生は白樺派のカレーの普及活動に関わることで、なぜこのようなカレーができたのかを、時代を遡って知ることができました。白樺派の文人や手賀沼の自然などは我孫子にとって中心的な魅力です。我孫子に大学が移って来た時に、我孫子が北の鎌倉と言われるように由緒ある土地であることがわかりました。白樺派の文学的価値、100年前の西洋化、我孫子の自然が影響し合って白樺派のカレーという新たな価値が生まれました。これからも大学だからこそ出来るものがあると思いますので、そういうものに貢献してまいりたいと思います。
高橋先生 カレーをインド料理だと思っている学生がいます。日本のカレーは西洋料理です。栄養士を育成する学科では、カレーを作るだけではなく、カレーがどこから日本に来て、どのように日本に浸透したかについても学習しています。カレーは学ぶことが多い良い教材です。学生が自分でカレーを作る場合、どのようなカレーにするかを考えさせますが、パッケージはどうするかということについても考えさせます。
学生からいろいろなアイデアが出ます。しかし、それを商品化することは大学にはできません。アイデアを商品化する際に我孫子市と協力できるといいと思います。
子どもたちと白樺派のカレー
小野会長 我孫子市の小学校、中学校では、栄養士さんのご努力により給食に白樺派のカレーを出していただいています。先日の日本女子オープンでカレーを販売した際、子ども達が販売ブースに来て、白樺派のカレーを見つけて「超有名!」と言ってくれました。とても嬉しかった。子ども達は給食で食べているので白樺派のカレーを知っているのです。
熊谷学長 単なるボランティアで終わることなく、サービス・ラーニングに結びつくよう学生を指導してゆきたいと考えています。可能でしたら、子ども食堂といったものが、大学がある我孫子市の天王台地区にできると、大学から人材を提供することができますし、大学の教育学(幼児教育、児童教育)、栄養学、心理学などの専門性を活かして、貢献することができるのではないかと思っています。また、子どもカレーとして、あまり辛くない白樺派のカレーを作って、子ども食堂で提供することもいいのではないかと思います。